お知らせ

豊田高専とインバー合金の3Dプリンター品疲労破壊に関する共著論文を発表致しました

2022.3.29

当社と豊田高専・機械工学科・清水利弘教授との共著論文「Additive Manufacturingで作製した機能性合金における疲労き裂進展挙動の鍛造および鋳造材との比較」 が日本鉄鋼協会の和文誌「鉄と鋼」に掲載されました。
近年、半導体需要の高まりを受けて、低熱膨張材料(インバー合金※1と略記)が注目されています。しかし、インバー合金の3Dプリンター品については、これまでの切削加工品や圧延品と異なり、様々な特性が不明のままでした。
本論文では、インバー合金の3Dプリンター品の疲労破壊は、これまでの鋳造品や鍛造品と変化がないことを亀裂の進展挙動から学術的に解明致しました。3Dプリンター技術を適用すると、温暖化ガスの削減も見込まれ(年間100万トン以上)、地球環境保全にも寄与することが期待されています。
当社は、「低熱膨張合金+3Dプリンター=日本鋳造」ブランド構築を目指して、2021年末までに日本国内で「低熱膨張合金の3Dプリンター特許」は日本国内だけでなく中国と韓国で特許権利化に成功し、本年中に米国・欧州でも権利化予定です。
今後も、特殊な特性を有する材料の開発や製品の軽量化・短納期化・低コスト化を図り、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※1)Fe-Ni系合金を指し、温度による熱変形がごく小さい低熱膨張材料の総称

図1 低熱膨張材における亀裂進展挙動におよぼす鋳造品・鍛造品・SLM材の比較

 

 

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日本鋳造株式会社 素形材開発技術部 TEL 044 (322) 3771