お知らせ
2024.10.08
~日本鋳造と早稲田大学との共同研究~
日本鋳造株式会社が開発した低熱膨張合金*1の3Dプリンター製品は、早稲田大学を中心とした、「DREAM 3プロジェクト(高精度変位計測装置の実証試験)」に採用され、本年8 月に、JAXA宇宙科学研究所が実施する大気球*2による飛翔機会を利用した観測装置の一部として使用されました。
宇宙機に搭載される観測装置には高い寸法安定性*3が要求されます。宇宙空間では、幅広い温度変化により、観測装置を支える支持構造*4に熱変形が生じることで性能の低下が懸念されておりました。熱変形の緩和のためには、幅広い温度域における低熱膨張性と、熱応力緩和のための剛性設計に向けた複雑形状が必要となります。
今回、大気球および宇宙機に搭載可能な低熱膨張性と複雑形状を有する、当社3Dプリンター製品を活用いただきました。
日本鋳造株式会社は、低熱膨張合金(Low Thermal Expansion Material、LEX®:日本鋳造株式会社登録商標)を40 年以上にわたり提供してまいりましたが、近年、当社が開発した低熱膨張合金を用い3Dプリンター製品が商品化されました。
当社は、今後とも、新たな技術開発や需要の開拓を図り、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
日本鋳造株式会社 企画管理部 TEL 070 (3269) 9705
図1 今回採用された低熱膨張合金の3Dプリンター品
図2 大樹航空宇宙実験場において放球前の実験装置
【用語解説】
*1 低熱膨張合金:金属材料の中では最低の熱膨張率を示す殆どゼロに近い金属材料
*2 大気球:JAXA宇宙科学研究所が飛翔運用する宇宙科学用の気球(Scientific Balloon)を指す
*3 寸法安定性:時間が経過しても長さが変化しないこと
*4 支持構造:装置を支える強度設計と重要な構造